MIYUKIのおしゃべりんぐTime-2001年6月

2001年6月のおしゃべりんぐTimeです。


感熱器官(20010601 01:50)

 Tシャツにもいろいろあって、デザインによって袖の長さとか微妙に違いますよね。私はどうも熱を感じる器官が肘の少し上の上腕部にあるらしく、ここを露出しているとてきめんにくしゃみが出ます。メンズなどの袖が長めのものだと平気なのですが、短い袖のシャツは、室内にいても冷房の風などを敏感に察知して「ハックション」。特に寝ている時がてきめんです。
 足なんか丸出しでクーラーの中で寝ても大丈夫なのですが、腕が出ていると寒くて眠れません。思い返せば学生時代にも、夏場の授業中の居眠りは苦手でした。(笑) 腕から「ぞくぞくっ」と来てしまうんですよね。
 よく野球選手なんかも「腕を冷やさないように」と気を遣っているようですが、やはり漫画家も腕が商売道具だからでしょうか。

追悼(20010602 15:20)

 日本万華鏡倶楽部の副代表であり、日本の万華鏡の母とも呼ばれた誠志堂マイヤーズの今田冨江さんが、急性リンパ性白血病で一年間の闘病生活の末、今朝未明に亡くなりました。心からご冥福をお祈りいたします。
 私が『カレイドスコープ〜万華鏡の絢爛』を描くに当たって、さまざまな形でご協力してくださった方でしたが、来月発売のコミックスをお目にかけることが出来ませんでした。せめて後1ヶ月発売が早ければ間に合ったのに……
 先月末には、アメリカのサンディエゴで開かれたカレイドスコープコンベンションに車椅子で参加され、満足されていたと伺っています。それに参加できたことがせめてもの慰めですが、帰国されてすぐにこんなことになるとは思っていませんでした。
 本当に、一冊にまとまった万華鏡の話をご覧に入れたかったです。とても悔しいです。残念です。

梅雨入り(20010606 21:15)

 関東地方が梅雨入りしました。平年より4日早いそうです。私は雨は嫌いじゃないんですが、原付に乗れないのが困りますね。明日は美容院に行こうと思っていますが、降っていたら車で送迎してもらおうかなぁ。

 3日は息子の小学校の運動会があり、私は午前の部をさぼってお弁当作り。昼から見てきましたが、たかが小学校の運動会でも地域によって違うものだと痛感しました。前に住んでいたところがイベントに対してとても熱心な土地柄だったせいか、低学年児童の遊戯などもレベルが高かったのですが(幼稚園児代から鍛えられているのかも)、こちらでは高学年になっても「それ、踊ってる?」という感じ。(^^;;;; 6月の運動会は準備期間が足りないという事情もあるでしょうけど、せっかくだからもうちょっとキレのあるものが見たかったです。最も「運動会なんだからみんなで頑張るのが当然!」というのに全面的に賛成というわけではないんですけどね。(笑)
 この日は気温も高く直射日光が照りつける晴天。久しぶりに戸外で長時間過ごしたのが祟って夜には熱が出てしまいました。たぶん5月頭にひいた風邪がまだ治りきっていなかったんでしょう。38℃までは上がらなかったものの、その少し下の熱って一番だるいじゃないですか。小刻みに眠りながら朝まで七転八倒。苦しかったです。(涙)

 4日、朝になって熱は引いたものの体にはダメージが残り、うだうだ過ごす一日でした。5日は2日に亡くなった今田さんのお葬式に参列。教会でのお葬式に出たのは初めてでしたが、今田さんのお好きだった曲の演奏や万華鏡倶楽部の代表である大熊さんの弔辞など、心にしみるものでした。私自身はクリスチャンではありませんが、牧師さんが「『アーメン』というのは『その通り』という意味の言葉です。他の宗教を信仰なさっている方もいらっしゃるでしょうが、お祈りの言葉がお心に響きましたら、どうぞ『アーメン』とご唱和下さい」と仰っていたのが印象的でした。
 葬儀の後火葬場まで伺ってお骨を拾わせていただき、沖縄料理店の島唄楽園での偲ぶ会にも出席して来ました。今までは万華鏡を通じてしか今田さんを存じあげませんでしたが、生前の様々な活動のお話を伺い、その充実した人生の一部に触れたような気がします。どうか安らかにお休み下さい。

 6日は別花の予告カットの〆切でした。本当は5日〆切だったのですが、熱のせいで一日潰れてしまったので伸ばしてもらい、5日に帰宅してから作業しました。仕事場に行く時間も体力もなかったので、自宅で主線を描くことにしたのですが、なんと、私は消しゴムを持っていないことが判明して唖然。慌ててコンビニで買ってから適当な紙に下絵を描いて、0.1mmのマーカーでペン入れしたものをスキャニングして彩色。これは、8月発売の9月号に載る読み切りの予告なのですが、今度の主人公は男の子の予定です。まだ名前はありません。(笑) タイトルは「Honey Bee Lips」になりました。蜂が好きなので以前からbeeという単語は使ってみたかったのです。もちろん話の内容はまだ決まっていません。

梅雨の晴れ間(20010609 00:03)

 7日は美容院へ行って来ました。昼は晴れていたので原付で西葛西までゴー。今回は髪の色は変えないでおこうと思っていたのですが、新色が入ったと薦められてしまったので抵抗せず。パステル調のちょっと微妙な色で気に入っています。でも、夫には金髪美人の陰毛みたいな色と言われてしまったわ。ムカ。
 しかし美容院にいる間に雨。梅雨を侮っていた私が馬鹿でした。土砂降りの中を原付で帰るのは無謀なので仕事場に避難。コンフェデの準決勝も見たかったので、終わった頃に車で迎えに来てもらう約束をしてTVの前に陣取りました。中田のゴールに間に合って良かったぁ。
 決勝進出を一人で祝った後、夫が息子と一緒に来てくれたので、そのまま近所のメキシコ料理店『エル・トリート』で夕食。食べ終わって外へ出ると雨が上がっていました。本当はそのまま車で帰宅して、原付は翌日取りに来るつもりだったのですが、雨が止んだなら話は別。家族と別れて一人で家路につきましたが、雨上がりで寒冷前線が通過したせいかめちゃめちゃ寒くて参りました。半袖Tシャツだったんですもん。
 一瞬、仕事場に置いてあるカーディガンを取りに戻ろうかとも思いましたが、もうそれも面倒なのでそのまま爆走。家に着くと、エントランスホールで夫と息子と遭遇。早いな。>原付
 帰宅してから、7月発売の『カレイドスコープ〜万華鏡の絢爛』と『キャベツ畑で夢をみて』のカバーのレイアウトがFAXで届いていたものをチェック。私の方は問題ありませんでしたが、ライナスの方は作画担当の上田愛子氏が少々ごねているとのこと。私はいい出来だと思っているんですけどね。

 8日は歯医者。歯肉炎の薬をつけるだけのつもりでいたら、左上の奥歯の虫歯が発覚。どうも怪しいと思っていたので見つけてもらえて良かったです。無事治してもらいました。でもまだしばらく通わないとならないかな。

GO! GO! Gadget(20010611 17:30)

 へへへへへ。Palm買っちゃいました〜。新製品のm505。ずっと欲しくてザウルスにも目移りしたけど、「やっぱり欲しい」と思ったのが新製品の発売日だったというのに背中を押され、秋葉原へ直行してゲットしてしまいました。嬉しいなっと。
 カラーブラウザボードのあまりの使えなさに呆れていたことも欲望増強の要因ではありますが、やはり電子手帳としての歴史が長いOSは、ソフトウェアなども充実していていいですね。デスクトップで長年愛用している辞スパのパーム版などもあって驚きました。ゲームもいっぱい出てるし。
 携帯電話からのネット接続も、速度に多少の不満があるものの、赤外線ポートから繋げるアダプターを使って快適にできます。わずらわしいコードが不要だし、アダプターもそれほど嵩張るものではないので携帯にも便利。これでホームページの更新までできるようになれば、旅行にノートパソコンを持って行かなくても済むのになぁ。(持っていってないですけど)パーム用のテキストエディタと、FTPソフトさえ作ってくれれば可能だと思うので、どなたかPalmwear作家の方、よろしくお願いします。

 さて、このところTV三昧です。特に昨日はコンフェデとF1。フランスに負けたのは残念でしたが、失点1なら大健闘ですよね。来年のワールドカップでもぜひ頑張ってもらいたいものです。F1の方は、シューマッハ弟が素晴らしかったです。私はフェラーリファンですが、昨日ばかりは「2位でもしょうがないや」と思って見ていました。生中継だったのでレース後のインタビューまで放送してくれなかったのがとても残念。スカパーならそこまでの間スタジオで繋いで最後まで見せてくれたのでしょうが、今我が家のマンションではスカパーで見られるチャンネルに制約が多いので、残念ながら受信できない状態です。そして今夜はラブレボとスマスマ。特にスマスマは平井堅が出るので楽しみにしているんですよ。

有楽町で逢いましょう(20010615 01:25)

 13日内藤さんの紹介で姓名判断と風水の占い師の方に見ていただきました。どうも、野間美由紀という名前は前半とてもいい運勢だけど中年以降がダメになってくるらしく、改名を薦められてしまいましたよ。後半の運勢を良くするにはのまみゆきとひらがな表記にするといいのだとか。う〜ん。来年度から契約を切ってFA宣言をする予定だし、ある意味転機なのかも。実はデビューする前にチラッと「のまみゆき」にしようか考えたこともあったのですが、どうやらこの名前だと前半の運勢があまり良くないので、当時そうしなかったのは正解だったみたいですね。しかしどうでしょ? のまみゆき。どう思われます?
 内藤さん宅を辞してから、下北沢の本多劇場で加藤健一事務所のお芝居。セイムタイム・ネクストイヤーという二人芝居でした。所帯持ちの男女が、20年以上に渉って一年に一度だけの逢瀬を繰り返すという話で、時代の流れと登場人物の変化が楽しめます。ちょっとビリー・クリスタル主演の映画恋人達の予感を連想しましたが、中身は別に似ていません。
 会話など面白かったのですが、浮気相手に家族の話をとうとうと語る二人に、何だか釈然としないものを感じてしまったので、純粋に「あ〜、良かった」という印象にはなりませんでした。
 お芝居は、ミステリ評論家の新保博久さん、図子慧さん、創元社の編集さんたちと一緒だったのですが、新保博久さんは9月にまた推理クイズの本を出される予定だとかで、また私がイラストを担当させて頂くことになりそうです。まだ本決まりではないので、詳細が決定したらご報告しますね。

 14日には、有楽町そごうの跡地にビッグカメラがオープンしました。先日Palmを買ってしまったので、次に私が欲しいのはBSデジタルチューナーなのですが、これは「持っていないものリスト」のトップです。でも本当は「今のもので用が足りているけど新しいのが欲しいものリスト」の方が優先順位が高かったりするんですよね。当然トップはG4/733と22インチのApple Cinema Displayで、次がPowerBook G4/500新しいiBookという順番になります。くー、欲しい。でも、どう考えてもただの贅沢なのでとても買えません。上から80万、40万、20万だし。(涙)
 結局チューナーも保留にし、その腹いせというわけではありませんが、ささやかな無駄遣いはしてきました。脱毛器のソイエ。(笑) 実はソイエの初号機が出たときに使ったことがあるのですが、その後ブラウン製のものに乗り換えていたんです。でも、どうも使っている間の振動が大きいし音もうるさいので、新製品が気になっていたんですよ。店頭でちょっと試させてもらうことができたのですが、従来機に比べて格段に音が静かになっているし、脱毛時の痛みも少ないので買うことにしました。でも、ブラウンやフィリップスなどの海外製品に比べると、どうしても色やデザインがダサイんですよね。
 デザインについては、買って帰ってからも気になっていたのですが、使っている間にあることに気付いて割り切れました。そうなんです。脱毛器って、一度買ってしまったら、もう二度と他の人の目には触れないんですよ。女子寮に住んでいたり姉妹がいたりすれば貸し借りなどもあるでしょうが、普通はそんなものは一人で使いますよね。家族の前でもあまりやりません。だから、いくらデザインに拘っても、一度買われてしまった脱毛器は、もうその持ち主にしか見てもらえないんです。それってちょっと可哀想じゃありません?(脱毛器がじゃないですよ。デザイナーがですよ)
 もちろん、一人でいるときだからこそ、愛着のある色や形のものを使いたいのですが、ちょっと同情心が湧いたのと、実際に使ってみて快適だったので、もうわだかまりは消えました。なかなかナイスです。>ソイエ
 ところで今日は雨だったのですが、ビッグカメラの入口には店員さんが何人も傘袋を持って立っていて、お客さんの傘を受け取って袋に入れるサービスをしていました。傘袋に傘を入れる時ってどうしても手が濡れますよね。それを変わりに店員さんがやってくれていたのです。見上げた接客です。他にも、ZIPPOのコーナーでもとても親切に対応してくれましたし、さすがオープン初日で気合いが入っています。店内には報道の人も大勢来ていて、どこかのTV局のインタビューを受けましたが、局を確認しなかったので放映されたかどうかは未確認です。たぶん流れていないでしょう。っていうか、流れると困るわ。スッピンで行ったから。(笑)

favorite(20010618 01:35)

 なんだか雑事に追われた数日間でした。そのせいか、久しぶりに『怒る夢』を見ました。シチュエーションとしては、どこかの会議室のような小部屋で8人くらいで何かの作業中。私は自分の仕事をしているようでもあり、マンション理事会広報誌を作っているようでもあります。他の7人はどうやら私のアシスタントなのですが、全員男性。しかも学生風。その中の一人が、自分が関わっている劇団の芝居のチケットを作っているらしいのです。まあ、夢ですから状況はめちゃくちゃですね。
 ところが、そのチケットというのが、薄い紙に適当に印刷したものを乱切りしたような代物。私はそれを見て「チケットは芝居の顔なんだから(そうなのか?)こんな適当なものでいいはずがない。やり直し!」と叱りつけているのです。目が覚めてもしばらくの間、腹が立って腹が立って。(笑)

 さて、話は大きく変わって最近お気に入りのものの事。ハーゲンダッツのクリスピーサンドの発売が再開されましたねぇ。(^-^) アイスにはそれほど執着しない方ですが、これは大好きなので冷蔵庫に常備してます。あると思うと安心してしまってかえって食べないんですが。デニーズのキャラメルホットケーキといい、私はキャラメル味が好きなんですね。キャラメルティーとか。
 でも今は暑いのでアイスティーばかり飲んでいます。水出しのティーバックを買って冷水ポットで作っているのですが、気分によってはガムシロップも入れます。その時に活躍するのがちょっと前に買ったお気に入りのマドラー。銀の棒の先に、直径1cmくらいのガラス玉がついているんです。透明のとか青とかオレンジとか。マドラーなんて、無ければ無いで済んでしまうんですが、大好きなものだと使うのが楽しいですよね。お揃いのフルーツフォークも買ったので、果物を細かくカットして食べるのも楽しいです。メロンとかパパイヤとかね。
 炭酸の飲み物が欲しくなると、オレンジジュースのサイダー割りを作ります。近所のサンクスに置いてあるサンキストの100%オレンジジュースが美味しいんですよ。オレンジジュースって、たまに大きく外れるものがあるじゃありませんか。変に粉っぽかったりね。今まで飲んだ最低のオレンジジュースは、某航空会社の機内食についてきたものですが、どうやったらこんなに不味く作れるのか不思議なくらいでした。アメリカの国内の移動で飛行機に乗ったときだったので諦めもついたんですが。
 ずいぶん前にパズルのコミックスの1/4のところにも書いたのですが、相変わらずコージーコーナーのカルボナーラが好きです。門前仲町にはコージーコーナーがあるので、用事があって近くまで行くと寄ることが多くなりました。ただ、その店は内装がちょっと昔の『純喫茶』風なのが玉に瑕。
 門前仲町に行くと、もう一軒必ず寄るのがみなとやという豆菓子とあられのお店。そこで必ず塩豆を買います。塩豆って、普通のスーパーなどにはあまり売ってないですよね。でも好きなんですよ。他にそら豆を揚げて塩味をつけたのとか、つい買ってしまいますね。これがまたビールに合うんだ。(飲まないけど)

 さて、月曜夜から仕事場に移動します。23日には、本格ミステリ作家クラブの総会とミステリ大賞の贈呈式があるので、何が何でもそれまでに仕事を終わらせる予定。Palmで遊んでる場合じゃありません。

Hard days nights(20010626 22:15)

 私もたいがいヘビーな生活をしていますが、ここ数日のハードさと言ったら。取りあえず時系列に沿ってご報告を。

 18日夜から仕事場へ移動。この時点でまだ描くべき話は決まっていませんでした。PowerBookに向かって頭を絞りましたが、な〜んも思いつきません。朝まで頑張って資料などを漁りましたが、諦めて寝ました。
 19日。4時間ほど眠って起床。午後からアシスタントが来るので、その前に買い物。TV番組雑誌や牛乳など。スタッフが揃ってからアイディアをまとめるために話に参加してもらい、結局ロゼのホームページについてのストーリーになりました。
 20日。プロットをまとめてからページ割りの作業。ひたすらシーンごとの会話を作っていきます。夜にはそれも完成し、即ネームへ。何しろ今回は「23日の本格ミステリ大賞贈呈式に出たい!」という目標があるので必死です。でも、まだ先が長いので、やはり4時間ほど睡眠を取りました。
 21日。正午起床。午後にはページ割りが完成したのでそのままネームへ。
 22日。明け方ちょっとの仮眠で頑張ったおかげで昼過ぎにネームが完成し、編集部へFAX。24時間で40枚絵が描ければ、23日15時からの総会に間に合う計算です。私の下絵のスピードは、集中力さえ持続すれば1ページ30分。下絵が終わってから完成まではざっと6時間というのが過去の経験値にあるので、ギリギリですね。

 23日。下絵が完成したのは午前9時でした。ほぼノルマ達成。でも、さすがに総会に出るのは無理そうなので、18時からのパーティーを目標に最後の気力を振り絞りました。終わってからではあまりにもバタバタすることを考えて先に入浴しておいたのは大正解。15時にはなんとか原稿が完成し、15時半に夫に迎えに来てもらって16時過ぎに帰宅。着替えて化粧し、17時を少し回ったところでタクシーに飛び乗って日本出版クラブ会館へ。パーティーには何とか間に合いました。
 会場は満員の大盛況。服装の件で関係者を不安に陥れていた倉知さんは、ダンガリーシャツにネクタイを締めるという裏技で登場。LEDが次回公演に倉知さんの163人の目撃者(『日曜の夜は出たくない』に収録)を舞台化するせいか、倉知さんはLEDの直塚にしきりにチラチラと助けて光線を繰り出してくるのが笑えました。賞状を読む有栖川有栖さんの前の倉知さんは、どこからどう見ても叱られている子ども。主賓なのになんでこんなに小さくなってしまうんでしょう、この方は。
 大賞のトロフィーは、京極夏彦さんのデザインです。シルバーの角柱に、金のトランプが刺さっているという洒落たもので、二階堂さんに10万円払うと売ってもらえるそうです。(信じないように) 会場では「本格ミステリ作家クラブのホームページ作るらしいですよ」と、直塚が言うので、「誰が? あたし?」と思わず返答。すると「僕か野間さんか貫井さんでしょうね」としれっと答える直塚。まあ、頼まれればやりますよ。最近の私はミセス・ボランティアですもん。この会は本格ミステリを愛する人の集まりですから、出来ることは何でもお手伝いするつもりです。
 パーティーの後は二次会。去年のクラブ創立の時は二次会の仕切りが不満でしたが、今回は光文社の方が率先して仕切って下さったので、とても快適に楽しむことが出来ました。ありがとうございます。二次会の間、西澤さん、森奈津子さん、倉阪鬼一郎さんの間では、怪しい会話が飛び交っていたようですが、とにかく私は意識を保っているのが精一杯だったので何も参加できませんでした。まあ、元気だったとしてもあの濃さの中に飛び込んでいくのは勇気が要るのですが。
 三次会はカラオケに行くという我孫子武丸さんに誘われて、よせばいいのにお付き合い。それでも流石に目も開けていられなくなって来たので日付が変わった頃にはお先に失礼しました。パーディー会場で殆ど何も食べられなかったので、直塚とロッキー@直塚兄と一緒に天下一ラーメンを食べて帰宅。すぐに入浴してマニキュアを塗り替え、倒れるように午前4時就寝。

 24日。10時起床。この日は西澤さんが、「ミステリークルーズ2001」の下見ためにおりえんとびぃなす号に乗船するのにお付き合いしました。私は本来は部外者ですが、西澤サイトで情報発信をしている関係で、企画会社のご厚意でお誘いいただいたのです。メンバーは、講談社文芸局長のU山氏ご夫妻、講談社文三K木氏、文庫編集部M澤氏、西澤さん、森奈津子さん、直塚@LED、私です。
 直塚は、「『西澤保彦』『芝居』という単語が並んでいるのに、そこに『LED』が絡まないのはおかしい」という理由で、キャストに加えてもらおうという画策の元に参加。なんたって原作が西澤さんですから、原作者が「どうしても彼をこの役に」と言い張れば何とかなるはずですもんね。でも、同行したのが功を奏して、どうやら本当にキャストに入れてもらえそうな手応えです。
 待ち合わせは桜木町駅に15:45。タクシーで横浜大桟橋に着岸しているおりえんとびぃなす号へ。600人の乗客を収容できる大型客船は、停泊している姿もなかなか優美です。
 乗船してから軽くガイダンスを受け、部屋に荷物を置いてから出港時刻になり、デッキで紙テープを投げるイベントに参加しました。映画などではお馴染みのシーンですが、いざ自分でやってみると、紙テープを投げる向きでテープが海に転がり落ちてしまうことを初めて知りました。二個投げてやっとそのことを学習する私。剥がしたテープを巻きの下にして投げないとダメなんですね。○ ̄ ←こう持って投げると着地してから手前に転がってしまうんです。○_ ←この角度が正解。
 18時からはディナー。この日は、清水港から北海道の利尻島を回るツアーの最終日だったのですが、長期の船旅の食事は6割が和食になるそうで、メインディッシュはしゃぶしゃぶでした。船内での食事やソフトドリンクは、全て乗船料金に含まれています。深夜にはお夜食までメインダイニングに用意されているので、至れり尽くせり。部屋は森奈津子さんとツインでしたが、普通のホテルよりもベッドなどがやや小振りな程度で、不自由は全くありませんでした。
 部屋にはシャワーだけがついていますが、別に大浴場もあってゆっくりお風呂に入れます。しかし、カラスの行水を自認する私が驚くほど素早く上がった森奈津子さん。ロングヘアーをシャンプーしていたのに。
 お風呂上がりに西澤さんの部屋に集まって四方山話。主に倉知淳さんの話題でしたが、直塚が早くも倉知さんの物真似を習得していたのはさすが。同業者の皆さんが、倉知さんにいかに作品を書かせるかという点に心を砕いているかという美しい話も。「倉知さんに金渡しちゃダメだよ。それでしばらく食いつないじゃうんだから。重版分の印税? ダメダメ払っちゃ」と、某ミステリ作家夫婦が言ったとか言わないとか。(笑)
 23時近くなってメインダイニングでお夜食。焼きおにぎりや鮭雑炊、ケーキ類などが並んでいました。これならどんな食いしん坊が乗船しても大丈夫でしょう。
 1時くらいにはベッドに入りましたが、どうも寝付けない私は途中で起き出してロビーで一時間ほど過ごし、ちゃんと眠り込んだのは午前4時くらいだったような気がします。

 24日。明け方船がけっこう揺れ、7時前には目が覚めてしまいました。でも、どうも気分が悪く「やばいな」と思いながら朝食の席へ。でも、全く食欲が湧きません。私の様子を見て「フルーツ盛りかなんかにした方がいいですよ」との直塚のアドバイスに従って、ジュースと果物のみ。テーブルには和食のお膳が出ていたのですが、ちゃんと洋食のバイキングも用意されているんですね。
 10時には清水港に着くので、それまでの間デッキを散歩したりラウンジでくつろいだり。陸が近づいてくると揺れも少なくなるので、船酔いも楽になってきました。でも、船酔いなんて初体験だったのでなかなか面白かったですよ。
 清水港に着いて下船してからタクシーで清水駅へ。何か美味しいお昼を食べてから帰ろうという計画だったので、タクシーの運転手さんに地元のお寿司やさんなどを教えてもらいましたが、駅の近くにある「魚河岸市場」という魚屋さんのセンターが楽しそうだったので、ロッカーに荷物を置いてそこへ向かいました。ところが、この日は予想最高気温33℃。いくら晴れ女と晴れ男が揃っているからって、ここまで晴天にならなくても…というくらいのいい天気。炎天下を歩かされた森奈津子さんは少々バテ気味でお気の毒だったかも。
 魚河岸市場で、釜揚げ桜エビや干物を買い込んで自宅へ発送。建物内のお寿司やさんは、持ち込みOKとのことだったので、みんなで適当なつまみを買い込んで酒盛り。お豆腐が抜群に美味しかったです。釜揚げ桜エビというのも初めて食べましたが、これも美味しいものですねぇ。ここで空いた缶ビールは14本。U山さんの奥様と私は飲まなかったので、5人で14本ですね。真っ昼間から。(笑)
 清水駅に戻ってファミレスを探し、そこでお茶&ビール。亀を飼っている屋内の池にU山さんがはまるというハプニングなどもあり、楽しくお喋り。その席で、imodeを駆使して静岡からの新幹線の時刻表を調べてくれたのは、今回の旅をお世話してくださった、E-pin企画のJ島さんです。彼女は私と同じ年ですが、最初からお互いに「同類の匂い」を感じ取っていたので、これからも楽しくお付き合いできるのではないかと思っています。
 15:34 静岡発のひかりで東京へ戻り、空港へ向かうまでの時間を潰す西澤さんに付き合ってお茶。西澤さんの下見に便乗させていただいたおかげで、とても楽しい船旅を経験することが出来ました。資料用の写真もいっぱい撮ったので、自分でも豪華客船ものが描けるかも知れません。

推理作家協会賞贈呈式(20010629 19:07)

 28日は、第54回日本推理作家協会賞贈呈式でした。実は今回の受賞者の皆さんとはどなたとも面識がなかったので、少々淋しい思いで会場へ赴いたのですが、会場のホテルのロビーでいきなり太田忠司さんに遭遇。一緒にいらした物集高音さんと一緒にお茶を飲みながら、待ち合わせしていたLED@直塚の到着を待って会場へ。
 久しぶりに辻真先先生とゆっくりお話が出来たり、ぼっけぇきょうてえ岩井志摩子さんにご挨拶できたりして良かったです。
 パーティー終了後は、面識がないにも関わらず、太田さんにくっついて菅浩江さんの二次会へ。菅さんはSF系の方なので、山田正紀さん瀬名秀明さんもいらっしゃっていました。特に瀬名さんとは著作やメールのやり取りだけで、直接お目にかかったことがなかったんですよ。お会いできて嬉しかったです。
 二次会のテーブルでは、太田さん、井上夢人さん我孫子武丸さんと同席。井上さんと我孫子さんは、どんな話でもディベートに展開させてしまう体質らしく、目の前で「ラーメン屋で最初に何味のラーメンを頼むべきか」などの話題で盛り上がっていました。太田さんと私は「これ、二人だけで聞くのもったいないね」と得した気分。「冷蔵庫とTVとどっちが偉いか」の続きも聞きたかったなぁ。
 主賓の菅浩江さんは日舞の名取なんだそうで、グレーのお着物をとても素敵に着こなしていらっしゃいました。私は和服は一枚も持っていないので、綺麗に着物を着こなす女性には憧れます。そして、菅さんは、以前『花とゆめ』を愛読してくださったということで、私の拙著もよくご存じだったのは嬉しいことです。そう言えば岩井志摩子さんも「パズルゲーム読んでます」と仰ってくれたんですよね。長くミステリ専門で描いているとご存じでいて下さる方も多いのが嬉しいです。
 三次会はカラオケ。我孫子さんや久美沙織さんたちと小部屋を占領して歌いました。京極さんや綾辻行人さんは、別の部屋でお喋り。一曲も歌わずにいたそうですが、我孫子さんは「よく歌わないのに延長する気になるよね」と呆れ顔。たぶんあちらから見れば、そんなに歌に熱意を傾けられる人の方が不思議なんでしょう。私は歌いますけどね。(笑)
 この日の収穫は我孫子さんの歌ったキリンジの『グッデイ・グッバイ』です。すごく私のツボにはまった曲だったので、機会があったらCDを買ってみようと思います。

 さて、怒濤のイベントも終わったので、そろそろ『Honey Bee Lips』のトビラを描かなくてはなりません。そう言えばまだ主人公の名前が決まっていないんですよね。(^^;;;; そうそう、8月発売の『パズルゲーム★はいすくーる』34巻の原稿も揃えなければ。


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