January 25, 2005 Tuesday
螢
麻耶雄嵩 幻冬舎
※内容を推測できる恐れのある部分を伏せてあります。伏せ字箇所にマウスを乗せると表示されるのでご注意ください。
正直に言うが、このタイプの記述トリックには少々食傷気味である。途中に全てが分かった訳ではないが、それでも冒頭からつきまとう違和感に警戒しつつ読み進めるのはあまり気持ちのいいものではなかった。
面白くなかったとは言わない。むしろ、早く真相を知りたい気持ちに引っ張られて一気に読める。だが、読了後に残ったのはカタルシスではなく後味の悪さだったのは否めない。
今さら、『事件のための設定』の是非を問うつもりはない。しかし、登場人物たちが所属しているサークルの活動内容や、過去の事件との重ね合わせ方、“半年前の連続殺人事件”の真相などが、《浅く》見えてしまうのは私だけだろうか。
ISBN4-344-00664-X ¥1600+税
投稿者 Miyuki Noma : 07:35