原稿用紙について
アイシー漫画原稿用紙
B4・135kg
紙は、上質紙を使います。上質紙といっても、テスト用紙に使うような薄いものでは頼りないので、110kgか135kgの厚さのものがいいでしょう。(紙の厚さは、全紙で1000枚重ねたときの重さで計られます)
ケント紙でもいいのですが、少々厚すぎるようですし値段も高いので、あまりプロの作家は使っていません。最近では、上質紙に青で内枠線や目盛りを印刷した便利な
「漫画専用原稿用紙」なども各メーカーから出回っていますので、こういう商品を利用するのも早道です。私は「アイシー」B4、135kgのものを使っています。投稿や商業誌で使われている紙のサイズはB4ですが、全紙を9枚に切った「九裁」と言われるサイズでも大丈夫です。
インクについて
インクは、「パイロット証券用インク」「製図用インク」が多く使われているようです。これらは耐水性で退色もありませんし、乾きが早いので作業が楽です。
また、昔ながらの墨汁も根強い人気があります。これは、墨汁の表面張力がインクに比べて強いためで、紙に線を描いたときに広がらずに残り線の太さが変わらないまま乾いてくれるからです。従って、細い線の先がスッと尖っていく表現には最適です。
墨汁は古くなると乾きが遅くなりますし、ペンにも詰まりやすくなりますのであまり惜しまずに新しいものを使いましょう。そういう点では、どんな文具店にも売っている
「開明墨汁」は、容器が小さいのであまり無駄にならず、そのままペンをつけて使えるので便利です。
ペンについて
上から、Gペン
丸ペン、カブラペン
漫画といえば、ペンですね。マーカーやロットリングなどのデザインペンも多く使われますが(これについては後ほど)まだまだ、ペンの需要は漫画界ではなくなりません。広く愛用されているのは、Gペン、丸ペン、カブラペンなどで、メーカーはゼブラが最もシェアを持っているようです。タチカワやニッコーも、それぞれ愛用者がいますが、最近はちょっと手に入りにくいようです。
Gペンは、筆圧によって先の広がり方が変わるので、太い主線などに使われます。丸ペンは、細かい部分の描写に最適で、背景や効果線などに多く使われます。カブラペンは、文字を書くために作られたペン先で、やわらかく落ちついた線が描けるのが特徴です。いろいろ試して自分に合ったものを使いましょう。
ペンはペン軸につけて使います。これも完全に好みの世界なので、好きなものでいいのですが、私は丸ペンの軸は「YANOHA」製のものが気に入っています。これはよく見かける深緑の木製のものよりも重いので線に安定感が出ることと、ペンを挿すための中の軸が金属製なので、うっかりペン軸を墨汁の中に深く突っ込んでしまったときなど、水分を吸って膨張したりしないので長持ちします。
YANOHAのペン軸 下が丸ペン用
ホワイトについて
プリードプルーフホワイトと
ガンジーミスノン
ホワイトはポスターカラーの白でもいいのですが、水性インクを修正をすること滲んでしまうので、なるべく修正専用のものを使いましょう。よく使われるのは
「Dr.Martin」の
「プリードプルーフホワイト」です。これは、水性インクの上に描いてもにじみません。
また、「ミスノン」のように、修正した上から描き直しができるタイプの修正液も大変便利なものです。「ミスノン」は『丸十化成』という会社の製品で「ガンジーミスノン」という商品名で売られています。「ライオンミスノン」というよく似た製品も見かけますがこれは実は中身を『丸十化成』から買って作っているものだそうですので、使用には差し支えありません。「リキッドペーパー」は漫画には向かないようです。
また、ペンタイプの修正液を選ぶときは、キャップ加圧式の方が使いやすいですね。これは、各文具メーカーから出ています。
定規について
定規は、辺がカットされているものを使いましょう。これは線を引くときにインクが定規をつたわらないようにするためです。また、30cm以上の平行定規もあると便利ですが、できればカッターなどをあてて使っても傷がつかないように、エッジ部分にステンレスの貼ってあるものが便利です。私は「CONCISE NO.630S」が愛用品です。短い定規は「LINEX A1420M」が、カットが深く縦にも目盛りがあるので好きです。
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